一歩進んだ、コットンの活用方法

COTTON STORY 8

一歩進んだ、コットンの活用方法

収穫されたコットンボールには繊維以外に多くの種があります。 種子は、核(ミート)、綿実殻(ハル)、 種のまわりのうぶ毛(リンター)に 分けられ、 どれも捨てられることなく、いろいろな方面で利用されています。

たとえば、核(ミート)を搾ってつくられた食用油には、 高級天ぷら店で使われる 綿実油(めんじつゆ)、サラダ油やマヨネーズなどにも使われています。

さらに、もう一歩進んだコットンのリサイクルについてお話ししましょう。 たとえば、「リサイクルコットン」という言葉を聞いたことはありませんか。 これは、普通なら紡積過程で捨てられるような不均一な糸や綿のくずを 再利用した生地のこと。 このリサイクルコットンを使ったTシャツやバッグなども販売されていて、 エコロジカルな取り組みが評価されています。

また、使わなくなった綿製品などから バイオエタノール(ボイラー燃料)をつくる技術も注目されています。 これは、酵素の力で綿繊維をぶどう糖に分解し、酵母で発酵させて バイオエタノールをつくる技術で、すでに日本国内で実用化されています。 大切に摘み取った綿を捨てないように使うこと。 使い終わった綿製品にもう一度命を与えること。 どちらも地球の恵みに感謝する素敵な活動ですね。

このほか、核の部分からは、石けん、グリセリン、 脂肪酸などがつくられます。 また、綿実殻(ハル)の部分からは 飼料、肥料、キシロース(食品添加物)など、 リンターからは、紙やセルロース、フェルト、キュプラなどの化学繊維などがつくられています。 このように、コットンは繊維を収穫した後も捨てられることなく、 私たちの生活に役立っているのですね。